• 弦巻楽団

舞台に立つ。

代表です。今月末の公演が近づいてまいりました。


弦巻楽団演技講座3学期発表公演、通称“舞台に立つ”。

今年の演目は『リチャード二世』。

シェイクスピアの史劇の中でもヒリヒリした閉塞感が宿る、苦い名作です。

現在20名以上のメンバーで本番に向けて稽古中です。

初心者もいれば、長くこの講座に参加してくれている心強い講座生もいます。

公演は3月26日から。現在のところ、予定通り上演致します。

劇団ホームページ、またフェイスブックのイベントページに【コロナウイルスに対する対策とお願い】を掲載してあります。お手数ですがご覧いただければと思います。

そこにも書きましたが、大手を振って「観に来て下さい」と口にできないこの状況が苦しく、悔しい気持ちでいっぱいです。

参加者一同は前向きに取り組んでます。おそらく札幌で上演されることはもう二度とない(?かもしれない)シェイクスピア作品の中でも知名度の高くない『リチャード二世』だというのに、この貴重な機会を力一杯宣伝できないことに砂を噛むような気分です。

札幌でも公演の自粛要請を受けての公演中止や無期延期が続いてます。それぞれの判断を思うと、本当に胸が潰れる気がします。

我々も散々考えました。そして公演を行うことを決めました。

共同主催者である北海道演劇財団、劇場であるシアターZOOとも協議をし、万全な対策を心がけ臨むことにしました。

とても面白い脚本です。サスペンスに満ちた政治劇ですが、リチャード二世が治世を行っている当時のイギリスの描写はまさに今の日本のようです。その数々の名台詞を是非堪能して頂きたい。

こんな時勢だからこそ、劇場で演劇という虚構に触れることは、人間の喜怒哀楽に触れることは、大切だとも思います。

どうか不安のない方、元気だよという方は是非劇場にお越しください。

公演とは直接関係ないのですが。

やっぱりすごく悩みました。その中で続行を危惧する意見にこんなものがありました。

「みんなが上演を中止してる中で、私たちが上演したらなんと言われるのか不安。」

その言葉はズンッとのしかかりました。

これはなんなのだろう?と思いました。要請は要請であって、決定権は自分たちにある。非難される言われはどこにもない。だから上演が非難されても堂々としてれば良い。理屈はそうだし、いつもの自分なら人は人、自分は自分で終了です。そう言って終わりにしても良かったのですが、自分より若いその声は本当に不安なようで、切迫感が滲んでました。

トイレットペーパーの買いだめが問題になりました。そんなまさか!と思ったけれど、実際に売り切れがしばらく続いてるようでした。自分もお尻に問題を抱えているので(てへ)、死活問題でしたが、まあ、そのうち入荷されるだろうと思ってました。

するとネット上で

「誰も本当にトイレットペーパーがなくなると思ってはいない。けれど『噂に踊らされた人間がトイレットペーパーを買い占めてしまうかも』と心配になり買い溜めしてしまう人が発生する。」

という考察がありました。

不安の一人歩きです。

結局は、人間への不信がこの事態を起こしている。

「みんなが上演を中止してる中で、私たちが上演したらなんと言われるのか不安。」

その理屈より、滲みでる社会や他者への不信にショックを受けました。その不信に共感してる自分にも驚きました。

現在の政府の対応でいまの状況に不安や不信を抱かない方が難しいと思います。みんなただでさえ疑心暗鬼になっている。

演劇や芸術や娯楽はこの社会に必要だ、だから上演する。そんな気概もなくはないです。なくはない。

ただそれよりも、こんな事態だからこそ、周囲の人間を信じることを信じて行動したい。行動する。

そんな想いが5%くらい公演を続行する動機になってます。

もちろん今後どうなるかは何も分かりません。

ただいまは、劇場でお会いできた時に素晴らしい時間を提供できるように努力するだけです。頑張ります。超頑張ります。

劇場でお待ちしております。

もしその時、体調面も精神面もコンディションが良いようでしたら、ぜひ劇場にお越し下さい。







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